はじめに
「あなたの症状では難しいですね」
「働いているなら無理ですよ」
「初診日が古いから対象外です」
――そんな言葉を、年金事務所や医療機関で言われた人は少なくありません。
でも、私はこれまで何度も見てきました。
“無理”と言われた人ほど、実は可能性があったということを。
障害年金は、最初に断られた瞬間で終わる制度ではありません。
そこからが、本当のスタートです。
第1章 なぜ「無理」と言われてしまうのか
障害年金の仕組みは、とても複雑です。
診断書、初診日、保険料納付要件――
それぞれに専門的なルールがあり、少しでも外れると“対象外”に見えてしまいます。
けれど、その判断はあくまで**「その時点での表面的な情報」**にすぎません。
- 初診日の証拠が「ない」と言われても、別の病院の記録から立証できることがある
- 働いている人でも、勤務実態が軽度であれば支給対象になることがある
- 診断書の書き方一つで、等級が変わることもある
つまり、「無理」と言われた理由の多くは、
“制度上の限界”ではなく、**「情報の不足」と「説明の誤差」**なのです。
第2章 「働いているから無理」は本当か?
もっとも多い誤解がこれです。
「働いている=障害年金はもらえない」
そう信じている人が本当に多い。
しかし、障害年金の判断基準は“職業の有無”ではありません。
ポイントは、**「その働き方が症状によってどれほど制約を受けているか」**です。
たとえば、
- 週2〜3日、短時間しか働けない
- 配慮を受けながら働いている
- ミスが多く、業務の継続が難しい
こうした実態があれば、
“働いていても障害年金の対象”になり得ます。
就労=健康の証明ではない。
「努力して働いている人」ほど、本来の支援を受け損ねていることが多いのです。
第3章 「初診日がわからない」も、終わりではない
もう一つの壁が、「初診日が特定できない」というケース。
たとえば――
- 転院を繰り返してカルテが残っていない
- 昔の病院が廃院している
- 通院記録が曖昧になっている
この場合、多くの窓口では「初診日不明=申請不可」とされます。
でも実際は、まだ可能性があります。
- 健康保険の記録(レセプト)
- 障害者手帳や自立支援医療の申請書
- 他院の紹介状や通院歴の証言
これらを組み合わせることで、初診日を“推定”できる場合があるのです。
社労士は、その証拠を一つずつ拾い集め、制度上の根拠を整えていきます。
「証明できない」ではなく、「証明できる形を探す」。
その探し方こそ、専門家の経験が活きるところです。
第4章 「医師に反対された」時の突破口
医師から「あなたは年金の対象ではない」と言われた――
このパターンも少なくありません。
しかし、医師は“治療”の専門家であって、“年金制度”の専門家ではありません。
障害年金は**「治療上の重さ」ではなく、「社会生活への制約度」**で判断されます。
つまり、
- 通院が続いている
- 薬が必要
- 日常生活に支障がある
これらが具体的に記載されれば、認定の可能性は十分あります。
医師との面談の仕方、診断書の依頼文の書き方――
ここにも社労士の支援が大きく関わります。
第5章 “無理”を覆したケースから見えた共通点
障害年金が通った人たちには、共通点があります。
それは「諦めなかったこと」。
- 1度目の不支給後、書類を整え直して再申請した
- 病院を訪ね直してカルテを探した
- 家族や支援者と協力して申立書を作り直した
制度は冷たく見えて、実は“人の努力”を受け止める余地があります。
その努力を「制度の言葉」に翻訳するのが、社労士の仕事です。
“無理”と言われた人ほど、制度の中で報われる可能性を秘めている。
第6章 “無理”の先にある希望へ
「無理」と言われたとき、人は制度を信じられなくなります。
でも、障害年金の本来の目的は「諦めさせること」ではなく、
**「生活を立て直す力を与えること」**です。
社労士は、その力を引き出す伴走者です。
書類を整えることではなく、“もう一度、生きる”ための制度利用を支援します。
どうせ無理、ではなく、
「もう一度、確かめてみよう」から始めましょう。
おわりに
もし、あなたが誰かに「障害年金は難しい」と言われたなら、
それは“制度の限界”ではなく、“理解の途中”にすぎません。
制度は、想像以上にあなたの味方です。
そして、“無理”と言われた人ほど、社労士の支援で変わる余地があります。
「もう一度、挑戦してみたい」
その気持ちがあれば、道は必ず見つかります。
