「“受給後の生活”で気をつけたいお金の話」――税金・扶養・医療費のリアル

はじめに

障害年金を受け取り始めたあと、
多くの方が口をそろえて言う言葉があります。

「年金はもらえたけど、
その後のお金のことは誰も教えてくれなかった…」

実は、受給後こそ
税金・健康保険・扶養・医療費
のルールを知らないと損をしやすい時期です。

この記事では、
障害年金を受け取る人が必ず知っておきたい
“お金の注意点” をわかりやすく整理します。


第1章 障害年金は「非課税」――でも安心しすぎないで

最初のポイントはこれ。

障害年金(基礎・厚生)は税金がかからない。

これは国の制度で明確に定められています。

✔ だから所得税も住民税もゼロ

→ 年末調整や確定申告で申告不要
→ 住民税の均等割・所得割の判断にも入らない

ただし、注意すべきことがあります。


🚨【注意】“障害年金以外の収入”はすべて課税対象

以下はすべて所得として扱われます。

  • 給与
  • 事業所得(フリーランス)
  • アルバイト収入
  • 障害者雇用での給与

障害年金が非課税だからといって、
「働いても税金ゼロ」ではありません。


✔ 医療費控除・住民税の減免などの制度は“他の収入”が基準

→ 障害年金はカウントされないが、給与はカウントされる
→ 住民税非課税世帯の判定に影響しやすい


第2章 「扶養」は税法・社会保険で基準が違う

支給後によく出る相談がこれ。

「年金をもらうと親の扶養から外れますか?」
「夫の健康保険の扶養に入れなくなりますか?」

ここは誤解が多いため、はっきり整理します。


✔ 結論:

障害年金だけでは、扶養から外れません。

理由は簡単で、
障害年金は非課税=所得ではない ためです。

ただし、扶養は “税法上” と “社会保険上” の2種類があり、
ルールがまったく違うので注意が必要です。


① 税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除)

基準は「所得」=課税対象となる収入のみ。

✔ 障害年金は所得に含まれない

→ 税法上の扶養から外れることはない
→ 外れる原因は「働きすぎた」など給与所得のみ


② 社会保険上の扶養(健康保険の扶養)

基準は「年間収入」。

✔ 障害年金は“収入扱いに含まれます”

→ 目安:年収130万円(自治体・健保によって微調整あり)


第3章 住民税がゼロになる“非課税世帯”の話

障害年金は非課税なので、
以下の制度との相性が抜群です。


① 住民税非課税世帯

収入が一定以下の世帯は、
住民税がゼロとなり、
以下の支援が受けやすくなる。

  • 国保保険料の減免
  • 医療費の軽減
  • 国民年金の免除
  • 公共料金の減免
  • 学校関係の補助
  • 介護保険料の軽減

障害年金はカウントされないため、
給与収入が少なければ “非課税世帯” になりやすい。


② 国民健康保険の軽減制度

非課税世帯の場合、
・保険料の均等割
・平等割
が大幅に減額される。

障害年金受給者の多くが利用できる制度。


③ 国民年金保険料の免除

所得が低い場合、

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

のいずれかが認められる。

※ 障害基礎年金1・2級を受給している本人は、
 もともと納付義務が免除されている(免除扱い)。


第4章 医療費で知っておくべき「3つの制度」

障害年金の受給者が
確実に知っておくべき医療制度は次の3つです。


① 自立支援医療(精神通院)

精神科・心療内科の通院費が 1割負担になる制度
うつ病・双極性障害・統合失調症などが対象。

✔ 障害年金受給の有無は関係なし

✔ 原則1年間ごとの更新

✔ 世帯所得で上限額が変わる

例:非課税世帯なら月2,500〜5,000円程度で頭打ち

精神疾患がある人は必ず利用すべき。


② 高額療養費制度

医療費が一定額を超えると、
超えた分が戻る制度。

✔ 障害年金は収入に含まれないため、

低所得区分になりやすい
= 自己負担限度額が下がる。


第5章 “働く”と“年金”の両立で気をつけること

障害年金は働いていても受給できますが、
収入が増えたときに注意すべき点があります。


✔ ① 住民税・社会保険料は増える

→ 年金は非課税でも、給与は課税
→ 働くほど手取りが増えづらくなるポイントあり


✔ ② 就労状況は次の“更新”に影響

→ 月20日勤務
→ フルタイム
→ 高度な業務
などは「状態改善」と判断される場合も。


✔ ③ 配慮つき就労なら、医師に必ず共有

→ 配慮が無ければ働けない
→ 日常生活は依然として困難

これを診断書に反映しないと評価が大きく変わる。


第6章 年金を受け取り始めたら“最初の3か月”が勝負

多くの受給者がつまずくのは、
制度そのものではなく「知らないこと」。

受給開始後の最初の3か月で
以下を必ず確認すべきです。


✔ チェックリスト

□ 扶養は継続できるか
□ 国保・健保の保険料はどうなるか
□ 自立支援医療の申請はしたか
□ 重度障害者医療費助成の対象か
□ 住民税は非課税になるか
□ 医療費控除は使えるか
□ 就労予定がある場合、医師に共有したか
□ 次回更新のタイミングを把握したか


おわりに

障害年金を受け取ることはゴールではありません。
むしろそこからが、
生活・医療・働き方・お金のバランス
を整える大切なスタートです。

制度を知らないと不安が増え、
制度を知ると負担が減る。

“安心して暮らすための制度” は、
使われて初めて意味を持ちます。

あなたはもう、
その入り口に立っています。

必要な制度を上手に組み合わせて、
安心して生活を続けてください。

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