障害年金の相談で、
こんな言葉を聞くことがあります。
- 「前に社労士に相談したけど、ダメでした」
- 「結局、何も変わらなかった」
- 「相性が悪かったんだと思います」
もちろん、
社労士側の問題がゼロとは言いません。
ただ、現場で見ていると、
“うまくいかなかった相談”には、一定の共通点があります。
それは、
誰かを責めるための話ではありません。
次につなげるための整理です。
まず前提として:社労士は「魔法使い」ではない
最初に、はっきりさせておきます。
社労士は、結果を保証する存在ではありません。
できるのは、
- 制度の整理
- 書類構成の助言
- 可能性とリスクの説明
です。
逆に言えば、
- 状態そのもの
- 医学的な事実
- 過去の経過
を、作り変えることはできません。
この前提が共有されていないと、
相談は必ずズレます。
共通点①「結論」を先に求めてしまう
うまくいかなかった相談で、
非常によくあるのがこれです。
- 「通りますか?」
- 「何級になりそうですか?」
- 「いけますよね?」
気持ちは分かります。
不安だから、結論が欲しい。
でも、社労士の仕事は、
可能性を断定することではありません。
結論だけを求める相談は、
- プロセスが共有されない
- リスクが無視される
- 不利な話を聞かなくなる
結果として、
「聞きたい話だけを聞いて終わる」
相談になりがちです。
共通点②「状態」を、言葉にできていない
社労士は、
あなたの生活を直接見ているわけではありません。
判断材料は、
- あなたの説明
- 医師の書類
- 客観資料
だけです。
にもかかわらず、
- 「しんどい」
- 「つらい」
- 「普通に無理です」
といった、
抽象的な表現だけで相談が進むケースがあります。
これでは、
書類に落とせる情報が足りない
社労士がダメだったというより、
材料が足りなかったということです。
共通点③「医師との関係」を丸投げしている
相談がうまくいかなかった人の多くが、
- 医師にどう伝えているか
- 診断書の前提がどうなっているか
を、ほとんど整理していません。
ときには、
- 「先生が分かってくれなくて」
- 「診断書が弱くて」
と、すべてを医師のせいにしてしまう。
でも、診断書は、
医師と本人のやり取りの“結果物”
社労士は、
その関係の外側にいます。
丸投げされた状態では、
限界があります。
共通点④「不利な話」を聞きたくない
これは、かなり重要です。
社労士が、
- リスクが高い
- ここが弱い
- 今は難しいかもしれない
と説明したとき、
- 話を打ち切る
- 別の社労士を探す
- 「否定された」と感じる
こうした反応になると、
相談は成立しません。
でも実務では、
不利な点をどう扱うか
ここが一番大事です。
耳の痛い話を聞けなかった結果、
「ダメだった」という印象だけが残る。
共通点⑤「社労士=代理人」と思い込んでいる
社労士に相談すると、
- 全部やってくれる
- 自分は何もしなくていい
そう思ってしまう人もいます。
でも、障害年金は、
本人の情報が9割の制度
です。
- 日常生活
- 症状の継続
- 支援の必要性
これを出せるのは、本人だけ。
社労士は、
代わりに生きてきたわけではありません。
「社労士に相談してもダメだった」は、終わりではない
大事なのは、ここです。
一度うまくいかなかったからといって、
- 制度が使えない
- 相談する価値がない
とは限りません。
むしろ、
何が共有できていなかったか
どこで認識がズレていたか
を整理できれば、
次は変わります。
最後に
「社労士に相談してもダメだった」
その言葉の裏には、
- 期待
- 不安
- 焦り
が詰まっています。
でも、
誰か一人が悪いケースは、実は少ない。
相談がうまくいかなかった理由は、
たいてい“関係のズレ”です。
ズレは、直せます。
それができたとき、
相談は「ダメだった経験」ではなく、
次につながる材料になります。
