障害年金をもらっている人が、将来設計を立てられなくなる瞬間――止まったのは人生ではなく、「考え方」だった

障害年金をもらい始めると、
多くの人が、まずこう思います。

  • とりあえず、今は生きていける
  • 目の前の不安は減った
  • 少し、息ができるようになった

これは、とても大切な段階です。

でも、しばらくすると、
別の感覚がじわじわ出てきます。

「先のことを考えられない」

この記事では、
障害年金をもらっている人が
将来設計を立てられなくなる“瞬間”
その正体を整理します。


将来設計ができないのは「怠け」ではない

最初に、これだけははっきり言います。

将来を考えられなくなるのは、意志の弱さではありません。

むしろ、
障害年金を必要とする状態になるまで、
多くの人は 考えすぎるほど考えてきた

だからこそ、
ある瞬間で思考が止まります。


その瞬間①

「この制度が、いつまで続くか分からない」と気づいたとき

将来設計には、
前提条件が必要です。

  • 収入がどれくらいあるか
  • どれくらい続くか

でも、障害年金は、

  • 更新がある
  • 結果が保証されない
  • 状態次第で変わる

この不確実さに気づいた瞬間、

「前提が置けない」

という状態になります。

前提が置けないと、
設計はできません。


その瞬間②

「良くなっても、良くならなくても不安」だと分かったとき

将来設計が止まる、
もっと厄介な瞬間があります。

それは、

  • 良くなったら年金が減る不安
  • 良くならなかったら人生が進まない不安

この 二重拘束 に気づいたときです。

どちらに転んでも、安心できない

この状態では、
未来を考えること自体が、
心の負担になります。


その瞬間③

「今の生活が、制度前提で回っている」と自覚したとき

時間が経つと、

  • 家賃
  • 医療
  • 生活費

が、
年金前提で組み立てられていることに気づきます。

そのとき、

この前提を動かすのが、怖くなる

将来を考える=
今の前提を揺さぶる行為になる。

だから、
無意識に避けるようになります。


その瞬間④

「人生の選択肢」が、評価対象に見えてしまったとき

本来、

  • 働く
  • 休む
  • 学ぶ
  • 動かない

これらは、
人生の選択です。

でも、障害年金が生活に組み込まれると、

すべてが“更新に影響する行動”に見えてしまう

  • これをやったら不利かもしれない
  • 動いたら評価が下がるかもしれない

こうして、
行動の意味が
「生きる」から「評価される」にすり替わります。


その瞬間⑤

「将来=更新結果」になってしまったとき

将来の話をしようとすると、

  • 次の更新
  • 次の診断書
  • 次の結果

ばかりが浮かぶ。

将来設計が、
“制度イベント”に置き換わる

この状態では、

  • 5年後
  • 10年後

を考える余白がなくなります。


将来設計ができなくなる本当の理由

ここまでをまとめると、
原因はシンプルです。

将来を考えると、
今の生活が壊れそうに感じるから

だから、人は思考を止めます。

それは、
自分を守る反応です。


立て直しは「設計」からでは始まらない

大事なことがあります。

将来設計ができないときに、
無理に設計しようとしない

いきなり、

  • 何年後にどうなる
  • 収入をどうする

を考える必要はありません。

最初にやるべきなのは、

将来の前に、
「今」を少しだけ分解すること

  • 今の生活で、動かせそうな部分
  • 動かせない部分
  • 動かさなくていい部分

それだけで十分です。


最後に

障害年金をもらっている人が、
将来設計を立てられなくなる瞬間。

それは、

人生が止まった瞬間ではありません。

制度と生活が密着しすぎて、
考える余白がなくなった瞬間です。

余白は、
取り戻せます。

ゆっくりでいい。

将来は、
更新結果の先にもあります。

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