障害年金について語られるとき、
話題の中心はたいてい、こうです。
- 通るか、通らないか
- 等級はいくつか
- 更新で落ちないか
それ自体は、とても重要です。
でも、相談の現場にいると、
もう一つ、繰り返し出てくるものがあります。
孤立
なのに、
この二つが一緒に語られることは、ほとんどありません。
なぜでしょうか。
障害年金は「生活費」を支える制度だから
まず、制度の性格の話をします。
障害年金は、
生活費の不足を補う制度
です。
評価されるのは、
- 収入の欠如
- 労働能力の制限
であって、
- 人間関係
- 社会とのつながり
ではありません。
つまり、制度設計の段階で、
孤立は、最初から評価対象に入っていない
のです。
でも、現実には「孤立」はセットで起きる
現場では、むしろ逆です。
障害年金の相談者の多くが、
- 一人暮らし
- 家族と疎遠
- 友人関係が途切れている
という状態にあります。
理由は単純で、
- 働けない
- 外に出られない
- 生活リズムが合わない
結果として、
人との接点が、静かに消えていく
のです。
お金の問題と、
人との問題は、
実際には切り離せません。
なぜ語られないのか①
孤立は「制度で解決できない」から
障害年金は、
お金を出す制度です。
一方、孤立は、
- 感情
- 関係
- 時間
が絡む問題。
お金で直接解決できない
だから、
制度の話から切り落とされます。
語られないというより、
語りにくい
のが実情です。
なぜ語られないのか②
「自己責任」に見えてしまうから
孤立の話をすると、
すぐにこう言われがちです。
- 外に出ればいい
- 誰かに連絡すればいい
- 努力が足りない
でも、障害のある状態では、
それが一番できない
だから孤立している。
それを指摘すること自体が、
責めに見えてしまう。
結果として、
話題から外されます。
なぜ語られないのか③
当事者自身が、言葉にしにくい
孤立は、
痛みとしては非常に強い。
でも、
- 恥
- 諦め
- 慣れ
が混ざって、
言葉にしづらい。
相談では、
- お金の話はできる
- 書類の話はできる
でも、
「誰とも話していない」
「ずっと一人」
という話は、
最後まで出てこないことも多い。
孤立は「結果」であって、「原因」ではない
大事な視点があります。
孤立は、性格の問題ではありません。
多くの場合、
- 体調の不安定さ
- 継続的な制限
- 社会からの脱落感
こうしたものの、
結果として起きています。
それなのに、
- 人付き合いが苦手
- 内向的
と処理されてしまう。
障害年金が「孤立を深める」瞬間もある
あまり語られませんが、
こんな側面もあります。
障害年金をもらうことで、
- 働かなくても生活できる
- 外との接点が減る
結果として、
孤立が固定化する
ことがあります。
制度が悪いわけではありません。
でも、
放っておくと、そうなる構造
は、確かにあります。
本当は、セットで考えるべき
障害年金と孤立は、
- 別の問題
- 別の制度
として扱われています。
でも、現実には、
同時に進行している
ことが多い。
お金の支えができたあと、
次に必要なのは、
- 人との接点
- 役割
- 話せる場所
です。
ここが空白のままだと、
生活は立ち直りません。
最後に
障害年金は、
生活を支える重要な制度です。
でも、
生活=お金だけではありません。
孤立は、
静かで、見えにくく、
後回しにされがちです。
だからこそ、
あえて言葉にする必要がある。
障害年金と孤立は、
別々の話ではありません。
語られてこなかっただけです。
